こんちは!りはこんぶです。
PT80人の病院でマネージャーしてます。
ここ数年ですが、若手PTからよく相談されます。
先輩!訪問看護ステーションだと給料爆上がりっすよ!もっと稼ぎたいんで、転職したがいいっすかね?
まず落ち着けと。
確かに訪問看護ステーションって給料いいんですよね。基本給30万+出来高(インセンティブ)みたいな。
私自身も訪問リハは数年やったんですけど、やりがいもあるし、一番好きですね。
ですが、経験が浅いスタッフにはちとリスクが高いので、今日はそのリスクの話を書いていきます!
こんな記事も書いているので良ければ読んでみてくださいね!
PT1年目での訪問看護はやめとけ!
もちろん、全否定するつもりはないんです!
次の事を理解したうえで選ぶなら文句はないです。
- 成長しにくい環境
- 色々なリスク管理が必要
- インセンティブ収入は不安定
成長しにくい環境
成長する人はどんな環境でも成長はするものですが、人員と訪問リハという特性から1年目にはちとハードルが高いかと思っています。
アドバイスをもらいにくい
訪問看護ステーションの数は2010年には全国約5000程でしたが、2021年には13000以上と倍以上に増えています。今もその勢いはそのままで、めちゃくちゃ増え続けています。
つまり、PTもNsも常に人材を欲している状態です。求人サイトでも常に訪問看護ステーションは掲載されていますよね。
先輩に相談しにくい環境とは、人手が圧倒的に足りてなくって教育に回せる人材が少ないということ!
だから、先輩が一緒にケースを診て指導してくれるってことはまずありません。シフト制の訪問看護だと自分が休みの時に変わりに入ってくれることはありますが、稀なケースです。
同席している暇あったら、訪問件数もっと稼いで来い!!
っていうスタンスです。
1年目の頃に自分しかそのケースを診てないってめちゃくちゃ心配じゃないですか?口頭での相談はできると思いますが、実際のケースを診てというのは難しい現状です。
病院だとリハビリ室で周りの先輩からも見られているので、後でアドバイスがもらえますよね。そういうのが無い状態なので、リハビリに対してしっかり自分で考えられるようになってから就職するのをオススメします。
PTとしての目的を見失いやすい
リハビリ件数が多い訪問看護事業所は金儲け主義の所がほとんどです。なので、質としてピンキリな所が多いですン。もちろん、経営の安定は重要ですが、リハビリの意義や目的は二の次です。
事業所が儲かる方法は2つ
- 件数を多く行う
- 長い期間行う
本来リハビリって、自立支援なので、自立したら頻度を減らしゆくゆくは卒業していくものです。もちろん難病の方で長くかかわる方はいらっしゃいますが。基本は終了ありきです。
それを、無駄に頻度を増やしてダラダラと中身の薄いリハビリを続けている事業所が多い現状です。
マッサージと散歩だけさせているリハビリを続けてスタッフが成長できるとも思えませんよね?
リスク管理能力が必要
訪問リハは密室のサービスなのでその場で適切なリスク管理を行う必要があります。
訪問時に急変する方がいれば適切に対応し、必要ならば救急車要請なども行います。病院だと医師やナースにリスク管理の面で守られていましたが、医師からのリハビリ指示書を元に自分で判断して負荷量や内容を考慮して行わなければなりません。
例えば、心不全の情報は指示書に載っていないけど、全身状態と内服の情報から「あれ?なんか心疾患もある?」って本人に聞いてみると、実は違う医師から心疾患の診断を受けているみたいな。
それ知らずに負荷かけすぎて急変でもしたら大変なことですよね。
他にも、訪問のサービスなので、訪問先での物品破損事故や、最近だと感染のリスク対策など医療人として社会人として適切な対応が求められます。
まあ、何か事故があれば事務所が守ってくれるとは思いますが、リスク管理については急性期よりも複雑で幅広い知識が必要です。
インセンティブ収入は不安定
訪問看護ステーションでよくあるのが、インセンティブ制ですね。基本給があって、規定された件数以上訪問すると報酬が上乗せされる制度です。
5年程前だとインセンティブ制で600万ぐらい稼いでいる人もいましたが、現状はそこまでいかなくなっているみたいです。
とある訪問看護事業所の報酬例で挙げられているのは
120時間/月→年収600万も可能!
なんて上げています。
月20日勤務として1日15単位とっていくイメージですかね。1時間のリハビリを5人ですかね。
これって現実的ではないんですよね。個人的には訪問リハビリは1日に12単位程が限度のイメージです。
訪問の利用者さんって、ショートステイや体調不良で休みになることが多いので、休みがなかなかの頻度であります。他にも担当者会議もあるので、予定をギチギチに固めていると身動きが取れなくなります。
あくまで理論上は可能ということで、年収600万に届くのは厳しいと覚悟したがいいと思います。
また事業所によってはノルマ制の所もあるので、目標に達しないと減給になる所もあるので、そんな事業所は絶対近寄らない方がいいでしょう。
報酬は低下傾向?
先輩!介護報酬改定ってなんですか?
国が3年に1度、介護保険の内容を見直すことだよ。色んな介護保険サービスの報酬もこの時更新されるんだよ!
厚労省もちゃんと訪問看護の課題はわかっているます。
令和3年度の介護報酬では、訪問看護事業所のリハビリスタッフの人員割合を規定するか?という議論が起こって、署名活動も起きました。最終的に訪問看護からのリハの点数も下げられましたし、逆に通所リハの方が点数が上がりました。
国の方針としては
「だらだらマッサージだけやってないで、外に出る機会をもっと作れー!」
っということでしょうか。
ただ、今後は看護師が代わりにマッサージをしている事業所もでてきているようです。涙
まさにイタチごっこ。
これからは訪問看護のリハは必要性が問われてきます、先行きが明るいとは言えません。
ちゃんとしている事業所もある
散々否定してきましたが、訪問リハビリのニーズは世の中にあります。私も必要だと思っています。ただ、数だけ増えて金儲け主義の質が悪い事業所が多いのが本当に残念で若手がそっちに流れているのが心配です。
ちゃんと意識を高く持ってやっている事業所もあります。例えば、小児リハはまだ制度が整いきれてなく、リハビリを十分に受けられていない現状にあります。訪問でも小児リハを積極的に行っている事業所も増えてきています。
訪問に転職するなら、しっかり今の医療業界の課題に着目して理念をしっかり持っている訪問事業所に行くことをおすすめします。
後悔しないために
今更ですが、訪問リハビリの仕事自体はとてもいい仕事です。
散々否定して、ほんと今更っすね。笑
ですが、自分ひとりでアセスメントやリスク管理ができるようになってから転職することをおすすめします。
もし、訪問リハに転職するとなったら、自分ひとりで求人情報をあさるのはNG!
ちゃんと転職エージェントにその事業所の方針や給与形態を確認して申し込むようにしましょう!
事業所と中立的に立ち会ってくれるおすすめのエージェントはリハのお仕事とPTOTキャリアナビですね。丁寧にアドバイスしてくれるので、ほんとオススメです。下からのボタンから無料で登録できるので、ぜひ利用してみてください。
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今日は以上です。ありがとうございました!